満席やったから料理長に「テーブルはいっぱいでカウンターしかお席がないですけど、それでよろしかったらお待ちしてます」
で、ちょうど山口料理長が来られる頃にはタイミングよくテーブルが空いた。料理長は気さくな方やからカウンターであろうがテーブルであろうが全く気にはなさらないのは分かるが、とりあえずテーブルのほうがえーやろと。
料理長は外人さん2人を連れてこられた。
「泰三君、適当に焼いてくれる?この人、フランスで、知らない人いないシェフやねん」
「今な、ホテルでこちらのシェフとイベントしてるねん。ほんまにめっちゃ有名なシェフやねんで。ミシュランの三つ星以上の星をとるシェフやねん」
料理長が、このシェフの名前とレストランの名前を教えてくれたけど発音が難しく覚えられなかった。
もう1人のシェフはスイーツのトップパティシエらしい。
山口料理長とは20年のお客さんであり、アニキであり、先輩であり、仲良くさせていただいている。料理長も、ことあるごとに僕を雑誌やテレビに紹介してくれる。先日の「魔法のレストラン」も山口料理長と一緒に出させてもらった。
山口料理長はホンマに凄い先輩やのに、全然偉そうにせんと全く同じ視線の高さでお付き合いしてくれる。アドバイスも、間違っても説教じみたことなんか一度も聞いたことない。あんな先輩になりたいと思う。
僕は、先輩に、お客さんに、本当に恵まれてる。
あーなりたいと思う人がいる。そんな先輩がよーけおるのに、お前なにしとーねんと思うわ。
山口料理長に「なんでこんな偉い人を僕のお店に連れて来てくれたんですか」と、聞いた。
「美味しいもんを食べて欲しいからやん」
渋すぎるわ。
恥ずかしい話、半泣きになってもたわ。
少し
少しやけど、自信がついたわ。